『結婚契約』シングルマザーの覚悟
결혼계약
(邦題:結婚契約/英題:Marriage Contract)
亡き夫の借金の返済に追われているシングルマザーのヘス(ユイ)は、ある日、車に轢かれそうになった娘ウンソン(シン・リナ)をかばって、病院に搬送される。車を運転していたのはレストラン「プロミス」を経営するジフン(イ・ソジン)だった。一方、ジフンは、持病の肝硬変が悪化し、至急移植が必要な母(イ・フィヒャン)を救うため、適合者との偽装結婚を考えていた。偶然「プロミス」に採用されたヘスは、その話を耳にし、借金返済のため、娘を守るため、「私が結婚してあげます」と思わず提案するが、すぐに否定。しかしその後、ヘスは脳腫瘍を宣告され、遺されるウンソンの将来のため、ジフンと“結婚契約”を結ぶヘスだったが…。(BS朝日)
契約結婚モノって、もはやドラマの定番題材で(日本だと『逃げ恥』が代表的)、今まではラブコメでドラマ後半のイチャイチャのための既成事実的な扱われ方をしていたと思います。見合い結婚したくない御曹司のダミーになるとか、結婚を急かす互いの両親を黙らせるためのとりあえずの手立てとか。
しかし今作の契約理由は、なんてったって臓器売買。合意の上とは言えどもガチの犯罪行為でもありますし、互いの切実度も過去の契約結婚作品とは比較になりません。
また女性側がシングルマザーというのも他のドラマにはない特徴で、これまた切実度が増す要素でもありました。
視聴後、ヘスにしあわせな時がちゃんとあったのかな?と考えしまいました。
ヘスは最初の契約結婚から色々な場面で選択し決断しますが、その中の決断に自分の為の決断は一つでもあったのかなと。性格的な理由もありますが、一番は娘のため、次に周りのため。常にどこか自己犠牲的で、ジフンと本当の意味で一緒になる選択をした時も、自分のための選択というより流されただけのように見えた。
ドラマ全体を通してジフンがヘスのためにいくら尽くしても、それが暖簾に腕押し状態に見えてしまう。ジフンの行動がヘスにあまり響いてないように見えた。相対的にジフンもドラマのヒーローとして物足りなさを感じてしまう。
ヘスとジフンの間には、あと少しだけ埋められない距離みたいものを最後まで感じていました。
どちらが悪いとかではない。ただヘスは今までに辛いことを経験し過ぎてきたし、誰にも頼れず娘を育て借金返済に奔走してきたので、強くならざるを得なかったんだと思います。
隠れて人知れず泣くのも、周囲に苦しんでる姿を見せないのも、泣き笑いが得意なのもそのせいです。
それでも最終話でヘスはウンソンに言います。「ひとは何かが足りないから不幸なわけじゃない」と。
私が納得するかどうか関係ないですね。
ユイちゃんはいつのまにこんな複雑な演技をできるようになったんでしょう。私が最後にユイちゃんをドラマで観たのは、『美男ですね』(11年)でコ・ミナムに意地悪する高慢ちきな女の役でしたから、その時を思い出すと演技に磨きをかけてきたんだなあと思います。
ユイのカン・ヘスが泣き笑いする度に、何度胸が締め付けられて目が潤んだことか。
そしてこのドラマを語るには、子役のシン・リナちゃんのなしには語れないでしょう。韓国の子役は出てくる子みんなが漏れなく演技が上手いので、中に小っちゃい大人が入ってるんじゃないかと疑ってしまうレベルなんですけど、シン・リナちゃんは格別ですね。
『青い海の伝説』(16年)でのシムチョンの数少ない人間界の友人役での演技も記憶に新しい。
今作では、たまに鋭いおませさんである一方で、年相応の甘えん坊さんな娘役が絶妙でリアルだった。ヘスと周りの人たちの間を自然と取り持つような大事な役回り。ジフンがヘスと親しくなったのも、きっかけはシン・リナちゃんのウンソンからでした。
イ・ソジンもドラマ関係なくメロメロな様子だったw
何気なしにシン・リナちゃんのインスタ検索したら、アカウントがありまして
めちゃくちゃ大きくなってるー!しかもかなりの美少女。
大人になっても俳優業を続けていくのかな?楽しみです。
メロドラマなので、強いメッセージ性があるというよりかは、視聴者の感情に訴えかけるストーリー展開です。なので人物像やキャラ重視というより、出来事・設定重視でそこに展開や人物像を合わせていくスタイル。
だからキャスティングもこんなことが起こるのでしょうね。
イ・ジフンとイ・フィヒャンはどう見ても同世代なので、無理のある雑な親子キャスティングに。
終始気になってしょうがなかったことの一つです。