『僕には愛しすぎる彼女』辛口感想です。
내겐 너무 사랑스러운 그녀
(邦題:僕には愛しすぎる彼女/英題:My Lovely Girl)
3年前に不慮の事故で恋人を亡くしたイ・ヒョヌク(RAIN)は、心に傷を負い作曲家の道を捨て田舎でひっそりと暮らしていた。 そんなある日、鳴らないはずの恋人の携帯電話が突然鳴る。それは亡くなった恋人の妹、ユン・セナ(クリスタル(f(x)))からの電話だった。 電話の向こうで泣いているセナが心配になったヒョヌクはセナを探すことを決心する。 一方、借金取りから逃げ回るだけの孤独な生活を送っていたセナは、携帯電話を使うことを止め、生計を立てるために友人の名前を借りてホテルでアルバイトを始める。(GYAO!)
●演出:パク・ヒョンギ(『ルル姫』『女の香り』)
●脚本:ノ・ジソル(『100日の朗君様』『女の香り』)
途中から流し見したほどなので、特に褒める点はなかったけど、文句はある。辛口感想です。
アイドルドラマではないドラマで、メインキャストのうち3人が、アーティスト活動をしているキャスティングって 珍しい。
このキャスティングにしたのはドラマとなる舞台が音楽芸能業界だからで、キャストのアーティスト性をドラマで発揮させることで、よりドラマを盛り上げたいとかそういう理由だと思うんですが・・・
全然発揮されてないじゃんっていう。
プロのアーティストが出演してるのに、歌唱シーンに録音音源被せたり、単純にパフォーマンスシーンが少なかったりして、全然アーティスト性が生かされてない。
実際RAINもクリスタルもLもめちゃくちゃ演技力あるわけでもないので、この程度のパフォーマンス演出なら、演技力がゴリゴリの専門俳優にダンス歌唱指導してキャスティングした方が、話題性も見ごたえもあったんじゃないかと思う。3人は一生懸命やってるのに、一中途半端な演出のせいで、3人の本業(アーティスト)の面目が失われる。
他にもこのドラマの中途半端さに言いたいことはあって。
このドラマは主にAnAという芸能事務所+αくらいの規模感の中で繰り広げられるストーリーでもあるけど、世界観が狭いからか、このAnAの経営陣の私情のもつれがひどい。
キャラクターが事務所の外側がまるでないかのように振る舞う。芸能ビジネスの要素もあるのに、AnAの端が社会と繋がってなくて、分断されているイメージ。リアリティが薄くて、ごっこビジネスみたいに見える。
しかも、ドラマ内の危機的な場面が、AnA経営陣の痴情のもつれが原因でのメンタルブレイクによるものが多い。
エモーショナルさがアーティストの創造性に影響するのは理解できるし、痴情のもつれが仕事に影響を及ぼす演出は韓国ドラマの定石ではあるけど、なんかやけにその演出が悪い方向に目立つ。
だったらもっとエモーショナル寄りに、産みの苦しみとかそういうのがあってもよかったじゃないかと思うけど、そういうのもなし。
経営陣が、ただ単に感情に振り回されて、アーティスト活動やプロデュース活動に支障を来す人たちに見えてしまったのが本当に残念。
ちゃんと仕事してくれwと観ててイライラしてしまいました。
セナ(クリスタル)とシウ(L)はひたむきに等身大で頑張ってる姿がよかった。
100歩引いて、仮にそういうテイストのドラマならそれでもいいけど、このドラマにはアマチュア作曲家であるセナ(クリスタル)が業界でプロとして成功できるかどうか、というもう一つの主軸があるわけで。
私情で仕事を簡単に休んだり辞めたり、プロ意識にかける(ようにみえる)経営陣たちが事務所のセナの楽曲や練習生たちを評価しても、説得力がない。いや説得力のなさを超えて、もはや疑心暗鬼。ストーリーの主軸に対して疑心を持ったままドラマ視聴することは、ドラマ全体に対して疑心を持つ状態になる。
途中で何か他の要素で挽回を願いながら視聴を続けるも、結局最後まで願い叶わず。最後もビミョーな終わり方でした。
そしてラブラインもこれまたビミョーで。
要は、事故で亡くした元恋人の妹に自分がその元恋人だったことを隠して近づいて、交流を続けるうちにその妹にも惹かれる、
というストーリーラインなので、妹にいつ秘密を打ち明けるのか、元恋人を事故で亡くした傷をどう乗り越えるのかが、このドラマの盛り上がりの頂点になるわけですが、自分が期待していた以上には盛り上がらなかった。
肩透かしをくらったような、なあなあで通り過ぎていったカンジ。
終盤、もうひと盛り上がりするために、父親の交際反対というスパイスも入るのですが、これも突然父親が息子の恋愛問題に介入してくる感じで、こちらもいまいち盛り上がる要素にはならず。
そもそもクリスタルに天涯孤独の苦労人純粋女子役をやらせるのが、はじめから違和感満載だったのよ。
クリスタルと言えば、元々ツヨツヨのキメキメが最高にイカスガールでしょ。
劇中のAnAのパーティーで劇的に変身してたシーンがあったけど、これこれェ!ってなったわ。
これでも薄い方だけど。
やはりアーティスト(アイドル)と俳優は表舞台に立つ人間という共通項はあるものの、その表現の方向性は違うので、なかなか乗り換えに成功するのは難しいなあという感想を持つのでした。