『ゆれながら咲く花』社会の縮図としての学校
학교 2013
(邦題:ゆれながら咲く花/英題:School 2013)
非常勤の国語教師としてスンリ高校に勤務するチョン・インジェ(チャン・ナラ)は、休職した前任教師の代わりに2年2組の担任を受け持つことに。全校で成績トップの生徒と最下位の生徒、優等生と不良学生が混在する2年2組には問題が山積みで、学級崩壊寸前……。それでも生徒が抱える家庭の事情や悩みに正面から向き合おうとするインジェだったが、ある日、塾の人気国語講師カン・セチャン(チェ・ダニエル)が新任教師としてスンリ高校に赴任インジェとともに2年2組の共同担任を務めることとなり、生徒の人間的成長を重視するインジェと成績主義のセチャンは対立する。一方、2年2組で他の生徒と一定の距離を保っていたコ・ナムスン(イ・ジョンソク)。不良番長のオ・ジョンホ(クァク・ジョンウク)にも適度に従い、目立たないように努めていたが、クラス投票で委員長になってしまう。そのうえ謎の転校生パク・フンス(キム・ウビン)の登場で、ナムスンの隠された過去が徐々に明らかになり……。(DATV)
●演出:イ・ミンホン(『学校1』『怒った顔で振り返れ』)
イ・ウンボク(『トッケビ』『太陽の末裔』)
●脚本:イ・ヒョンジュ(『深夜病院』『傲慢と偏見』)
コ・ジョンウォン(『深夜病院』)
ゆれずに咲く花が どこにあろうかこの世の どの美しい花も皆ゆれながら咲くのだからゆれながら 茎をまっすぐ伸ばすのだからゆれない愛が どこにあろうか濡れずに咲く花が どこにあろうかこの世の どのまばゆい花も皆濡れに濡れて咲くのだから
風雨にさらされながらはなびらを温かく広げるのだから濡れずに歩む人生が どこにあろうか
ト・ジョンファンという実在する詩人の詩らしいです。 素敵な詩です。
学校を舞台にした群像劇ドラマです。
優等生キャラや不良キャラ、多種多様な考えを持った生徒や教師が、インジェと関わることで少しずつ変化していく人間模様を描いたドラマ。日本のドラマだと『金八先生』が近い、というか似ていると思いました。
ロマンス要素は2%くらいしかないですし、エンタメとしてわかりやすい面白さを持つドラマではないと思います。
このドラマで、現代の韓国の教育環境や学生のリアルをどこまで再現されているのかわかりませんが、これがもし現実に近い形で表現されているのだとしたら、だいぶ韓国の学生は病んでいると思います。かわいそうという感想しか出てこない。
将来的に優秀な人材を育てるために、学歴至上主義と監視社会が成熟しつくした社会が生み出す弊害が、ドラマの要所要所でも見られます。学生のうちから他人を蹴落としたり、マウントを取ろうとすることはもはや日常的で、他人に興味はないくせに、互いを監視したり評価したりはする生徒。なんか観てるだけで、こっちがしんどかったですし、恐ろしいものを見ている気分になりました。けど、これがある意味社会の縮図なんでしょうね…。
インジェが生徒一人一人に向き合うことで、成績至上主義の共同担任のセチャン(チェ・ダニエル)が担任としての責務を果たすようになったり、不登校気味の不良が改心して登校したり、多少なりともクラスに変化は見られるんです。
でも結局は変わらない生徒は変わらないし、劣悪な家庭環境にいる生徒も簡単には現況と変わるわけではない。ましてや学校ドラマあるあるのクラス一致団結みたいな結末にもなりません。
途中で特別授業としてクラスでドッチボールやろう!みたいなクサい演出も入ったりもするんですが、それは一過性の表現に過ぎないですし、結局は最後の最後まで教師側も学校全体としても、成績至上主義でそれ以外のことがしょうがないという雰囲気は変わらない。
それをリアリティを含むドラマとして楽しめればいいのでしょうけど、なんだかフィクションとしては、希望がなさすぎるなあと個人的には思ってしまったり。最終回もまるで打ち切りにでもあったかのように、駆け込みで終わったしまったのも原因の一つとしてあるのかもしれません。
その中でもイ・ジョンソクとキム・ウビンのじゃれ合いは唯一の希望否、癒しでした。
前半めちゃくちゃ仲悪いんですが、徐々に関係を修復し、つかず離れずの距離でいざという時には互いに支え合う関係が男の友情って感じでよかったです。
この二人、今作で共演する前から友人関係にはあったようですが、今作でさらに仲を深めて今でもプライベートではめちゃくちゃ仲いいらしいですね。 その裏エピソードもまた良き。
Kim Bo Kyung (김보경) - 청개구리 (Blue Frog) [School 2013 OST] (ENG Sub + Hangul + ROMAN)