韓国ドラマの沼

鑑賞メモその他。新旧ごちゃ混ぜで視聴します。

『ショッピング王ルイ』お伽話のようなドラマ

  

쇼핑왕 루이

(邦題:ショッピング王ルイ/英題:Shopping King Louie)

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幼い頃に事故で両親を亡くしたルイ(ソ・イングク)は、唯一の血縁であり黄金財閥の会長である祖母の言いつけで、フランスにある大邸宅で使用人に囲まれて暮らしていた。何不自由ない生活ではあるが孤独なルイの唯一の楽しみは『買い物』。その天性の才能ともいえる目利きの技から“ショッピング王”と呼ばれていた。そんなある日、15年ぶりに韓国に帰国したルイは慣れない運転をした結果、気が付くと記憶を失い、無一文のホームレスになっていた。その頃、山奥育ちのボクシル(ナム・ジヒョン)は家出した弟ボクナムを探すためソウルに上京、そこでボクナムの洋服を着たルイを見つける。しかしルイはボクナムのことなど知らず、記憶もお金もない。困ったボクシルはルイが記憶を取り戻すまで面倒を見ることになるが…。(TBSチャンネル

  

●演出:イ・サンヨプ(『知ってるワイフ』『帝王の娘スベクヒャン』)

●脚本:オ・ジヨン(『私の恋したテリウス』)

 
感想
フランスの王宮のような豪邸で暮らすルイ(ソ・イングク)と方や韓国の山奥で電気も未開通で戦前のような暮らしをするボクシル(ナム・ジヒョン)
このドラマの一番の見どころは、物理的にもかけ離れた場所に住み、生育環境も暮らし方も正反対の二人が起こす化学反応だと思います。
現実では、まず、絶対、出会わうことがないだろって二人が、なぜか出会ってしまい、なぜか仲良く暮らす様子がただただ面白い。
誰もが単純に一番両極にあるもの同士を合わせたらどうなるんだろうって、それだけで知的好奇心湧いちゃう。もうそれだけでこのドラマはまず優勝してるんですよ。
 
フランスの豪邸から世界に飛び出し、記憶喪失になり、様々な人たちと出会い、また記憶を取り戻す。
その過程はまるでルイの旅路のよう。
ロードムービーならぬロードドラマ。
ルイは自分を見つける旅。相棒のボクシルは弟を見つける旅。最高の相棒。
途中困難なこともたくさんあるけれど、二人は人生という旅を共に謳歌し始める。人生は旅に似ているとはよく言ったもんです。
 
一方で、ボクシルの前に現れた記憶喪失のルイは、ボクシルの見ていた長い夢のようでもあった。そしてその夢を、私たちも一緒に見ていた。
ルイが記憶を取り戻し、黄金財閥の血縁者であることがわかった瞬間、一気にルイとの屋根部屋での生活が儚く遠い出来事のように思えて、ボクシルと一緒に切なくて悲しくなってしまった。
やっぱりルイと出会ったのはただの偶然でしかなかったんだと。
 
けど最終話でルイの宝箱の秘密が明かされて、16話の中で散りばめられた小さな伏線が回収された時、夢よりももっと素敵な事実が発覚するんです。
これはね、ちょっと感動しました。
16話で起きた出来事を振り返って思い馳せると、実はお伽話だったんだと思ってしまう。それくらい完璧で見事な構成です。
どちらかと言うとコメディ色が強いドラマだっただけに、最後の展開はまったく予想していなかったので、いい意味で不意をつかれました。

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全体的にはさっきも述べた通り、ロマコメの中でもコメディ色が強い部類だと思います。
過激な描写もほとんどなく、根っからの極悪人も出てこず、全体的にほんわかしているドラマ。
ほんわかした雰囲気をどう感じるか、コメディ部分のツボにハマるかどうかがキーで、そこで好き嫌いがわかれそうです。
私はツボにハマった側の人種で、ルイになんだかんだ文句を言いながらも振り回されてしまう周りの人たちも笑えましたし、ペク社長(キム・ギュチョル)のルイを陥れようとする作戦も、気の抜けたキャラの部下や妻のせいで、上手くいかないお決まりの展開もめっちゃツボでした。最後らへんなんて、チャ本部長が咳払いするだけツボに入ってゲラゲラ笑ってましたw
まあでも、やたらコメディ色に染めよう染めようとしてくる傾向はあるので、話の本筋には関係ないような寄り道的なシーンも結構多く、人間の本質に迫るような内容のドラマが好きな人や感動系のドラマが好きな人には物足りないかもしれません。あと単純に笑いのツボが違う人も。
 
 
キャスト

正直このドラマを観るまではソ・イングク(ルイ役)苦手だったんですが、視聴後気持ちが180°変化しました。(ちょろいw)

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このドラマ観るまでは、ただのかっこつけ(失礼)だと思ってたんですよね~・・・でも実は色んな表現ができて、幅広い演技ができる俳優さんなんだと、めっちゃ全振りでコメディするやんと。このドラマで新発見でした。
あと歌もめちゃくちゃ上手い。
劇中で何度か歌唱シーンがあるんですが、その一つがこちらです。


[Shopaholic Louis] 쇼핑왕 루이 ep.13 Seo In-guk sang a song for Nam Ji-hyun 20161103

演技も上手くて、歌も上手くてって・・・そりゃみんなファンになってめっちゃ人気出るのもわかります。

ちなみのこの劇中の歌唱シーンは、日本語字幕版だと著作権の関係で全カットされているので(他の歌唱シーンも)、日本語字幕で観る方は別途YouTubeでお楽しみください~。

 
 
ナム・ジヒョン(ボクシル役)、初登場シーンから黄金財閥の商品企画室で働くようになる頃まで、垢抜けなさすぎて、ヒロインとして大丈夫か??心配だったんですが、

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心配無用でしたね。

どんどんキレイになる。

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ただ、子役出身の女優さんあるあるだと思うんですけど、ロマンスのヒロインとしてはいまいち色気が足りないというか、優等生キャラが抜けないのは何でなんでしょう。

今回のような純朴で世話好きのヒロイン役が似合うからいいんですけど、一回悪女役も観てみたい気もします。

 

 

OSTのお気に入りはこちら。


MONSTA X(몬스타엑스) _ The Tigrt Moth(부나비) (SHOPPİNG KING LOUIE(쇼핑왕 루이) OST Part.7

絶妙に一昔前の香りがする曲調なんですけど、ピンチの時に流れたりすると切なさが増して、一番耳に残るOSTでした。